本音と魅力を引き出す「取材」のコツは?

実務

最強の情報源は「独自取材」である、と別記事で説明しましたが、「残念な取材の仕方」によって、それも台無しになってしまいます(情報価値の高い情報は得られません)。本記事では取材に際して最低限おさえておきたいことについて解説します。

あなたが発信する「情報価値」のランクはどのくらい?

取材とは準備である

「取材」のコツ、というとヒアリングの方法などを最初に思い浮かべる方がいるかもしれません。もちろんそれも大切です。しかし最も大切なのは「準備」です。私が在籍していた老舗雑誌出版社、商業界伝承の「取材の基本」では「取材とは準備である」と書かれています。

あらかじめ、Webサイトや書籍、新聞などでで分かる情報は必要な限り収集しておきましょう。それによって深い、相手の答えやすい質問を用意することが可能になります。社外の人への取材の場合、下記、それぞれは最低限押さえておきます。

①会社に対する取材の場合
創業年、創業者、今の社長が誰か。会社の場所。主な事業がなにか。その中の主力事業は何か。大手企業の場合、公開されている直近の業績と最近あった報道。

②社長に対する取材の場合、加えて下記。
その社長が創業者かどうか。社長になったのはいつか。Webに公開されている社長のインタビュー記事(検索してヒットしたもの、直近のものは目を必ずとおします)

③著名人に対する取材の場合
取材を申し込むような「著名人」「有名人」であれば、書籍を1冊以上は出しているケースが多くあります。その場合、直近、もしくは取材に関するテーマの書籍は必ず1冊上、完読します。特に取材に関するテーマの場合、しっかりと読み込み、書籍を読んで疑問に残ったこと、印象に残ったことは必ず取材でふれます。

以上は「最低限」押さえておくべきものです。何も準備をせずに取材することは、相手にとって失礼なことはもちろん「取材でわざわざ聞かなくてもいい情報」の確認作業に貴重な時間がとられてしまうということになります。貴重な取材時間を「価値の低い情報」の確認に費やすことは避け、自分だけが聞ける話(=価値のある情報)をしっかり引き出すことがポイントです。

取材時間の終わりを意識する

準備をしっかりしたら、当日にしたい最低限の心得について説明します。せっかくの貴重な時間をもらったのだから、なるべく長く話を聞きたい、ということから取材時間をすぎても(相手が許す限り)話を聞いてしまう記者がいます(私もかつてそういう時期がありました)。しかし、取材時間はきっちり守りましょう。なお、最適な取材時間は1時間半が目安です。

取材のおおまかな流れは「アイスブレーク」→「本題(趣旨3つ程度)」→「今後の抱負」→「(可能であれば)雑談」といったカタチになります(これは、筆者の場合ですが、たいていはこの流れです)。取材時間が押してしまう要因と対策について簡単に触れていきます。

①アイスブレークが長すぎてしまう
特に(オンラインではない)対面取材でよくあることのが、アイスブレークに時間がかかりすぎてしまうケースです。今日は天気が悪いですね、遠くからありがとうございます、景気はどうですか?などなど、お天気や時事などの世間話が長くなってしまうということです。アイスブレークは10分を過ぎたらきりあげましょう。ただしアイスブレークがまったくないと、取材時、相手も緊張したまま話をするため、打ち解けられず「本音」が引き出せないということもあります。オンライン取材の場合は意識してアイスブレーク時間をとりましょう。

②自分の話が長くなってしまう
これは年配のインタビュアーが陥りがちなケースです。話を聞きに行っているはずが、自分の話をしてしまい、しかもそれが長くなってしまうというケースです(私もついつい…ということがあるので、注意しています!)。あくまで「相手の話を聞く場」と心得、自分の話は最低限にしましょう。

③相手の「脱線」が長くなってしまう
これは、取材相手が話好きという場合によくあるケースです。本題ではない(記事にならない)話はおもしろくずっと聞いていたい場合もあるのですが、終わりの時間は決まっているわけですから、ここは切り上げてもらうしかありません。脱線が長くなりそうになったら「本題(記事にする内容)」に引き戻すようにしましょう。

ただし、相手がエライ人であるほど、話を遮るのはためらわれるものです。例として、私の対処法をご紹介します。一番オーソドックスな方法は「なるほど~~!〇〇〇ということですね」と、いったん話を引き取った後「この話、ほんとうに興味がひかれるのですがお時間もかぎられていますので〇〇〇について伺っていきたいと思います」といって(多少強引ですが)テーマを切り替えていくというものです。

鐘の音は打ち手によって異なる

取材時間内に内容のある話を引き出すには、やはり経験も必要になってきます。見出しの「鐘の音は打ち手によって異なる」も、商業界伝承の「取材の基本」に書かれている言葉です。短い時間の中で「何を話してもらえるか」は、文字通り、聞き手によって異なるのです。取材に関しては、当社、制作部シニアエディア―の工藤の記事もヒントにしていただければと思います。

36年の制作人生「ただの反復じゃなかった」から得たもの

以上、取材時に、最低限おさえておきたいことをまとめました。ここからは宣伝です。事業革新「情報発信-企画室」では、取材依頼~取材に関する体系だてて学べる講座を用意しています。下記入門講座はその前段となるもので、自社(自分)のコンテンツを改善したいすべての方の受講をおすすめします。「現場で10年、先輩・上司の背中を見て学べ」というような暗黙知を、できる限り体系立てて学べるようにしています。(先輩・上司の背中を見ながら10年、修行する時代は終わりました)有料にはなりますが、ぜひ受講いただければ幸いです。

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